建設業財務諸表から見た退職金の仕訳の仕方

私も、少なからず「建設業許可専門行政書士・ケイシン専門行政書士」としてやらせて頂いているので、ほぼ毎日毎日お客様(建設業者様)の決算書を拝見いたします。

当たり前ですが一社たりとも他の会社様と同じ決算書はなく、作っていらっしゃる方(税理士の先生が多いです)も違うし、会社のお金の流れも違いますので、その都度その都度、その会社様毎に結構色々気にしてみています。

経営事項審査(経審)をお受けになる会社様の決算書、お受けにならない会社様の決算書、どちらでもよいのですが、私が関わらせて頂いている建設業者様の決算書を拝見したときのチェックポイントの代表的なのは「決算書の作成自体が税込みか?税抜きか?」から始まり、「未払い法人税はきちんと計上されているか?(このチェックポイントは「経営事項審査受審用」ではあります)」から「売上原価の中身は何だろう?」「原価率何%くらいだろう?」「未払い金の内訳は?」「支払い(受取)利息の内訳は?」等などがあります。

その中で、「退職金」を損益計算書上(P/L)上どこの項目で計上されているかということに、時としてフォーカスすることがございます。

建設会社におけるその退職金は特別損失(所謂「トクソン」)ですか?

結構よくみられるパターンで(仕分けのパターンで)私が気になるのが、「退職金」を「特別損失」として計上している会社さんです。

この税務処理は個人的には「ん・・・・。。。」となってしまいます。

税務上は限られた条件でなら「退職金を特別損失として計上すること」は認められているのですが、ほぼ大体の会社様は該当しないのではないか?と思われてならないのです。

又、退所金を販売費及び一般管理費(所謂販管費)に計上せず、特別損失に持ってくるというのは、財務諸表の見た目を対外的によく見せるために「営業利益」をよくするためだけに行われることとも思われるので、その点からも感心しません。

また、経営事項審査を受けるために、決算書の分析をしてもらうために外部に出す「経営状況分析」でも、あまり特別損失が多いと分析の過程で疑義がでて、修正を掛けられることもございます。

個人的には

  • 役員退所金などで相当の金額になり(最低でも数千万円)かつ、役員退職金の引き当てもしていない
  • 死亡退職に伴う退職金である

等のごく限られた、シチュエーションでの退職金以外は普通に「販売費および一般管理費」として計上する方がいいだろうと思っております。

税理士先生曰く「無理に特別損失にすると、税務調査の時など五月蠅いよ」とのことですし。

やはり「退職金」は無難に「販売費および一般管理費」で処理するのがいいですよね?税理士先生!

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