経営事項審査申請の流れと点数計算の仕組みを大まかに捕えよう

公共工事を受注するためには「経営事項審査」というものを受けなければなりませんが、その「経営事項審査」は内容がかなり細かく、点数計算も複雑になっているので、全部を理解することが大変難しいですが、やはり概略は抑えておいた方が良いのでこちらのページで少し解説をさせて頂きます。

公共工事を受注するために受ける「経営事項審査」は「会社の売上高、保険の加入状況等を点数化」されるもので、点数が高ければいいとは一概には言えませんが、やはり「点数が高いに越したことはない」という側面はあるので、「どうすれば点数アップするか?」というお悩みは皆さんお持ちですが、点数アップのためにはその内容を理解していないと方針も立てられないので、このページではその概略のご説明させて頂きます。

経営事項審査の申請は年に1回しか出来ません。

経営事項審査を受けられるのは1回/年だけです。「あ、受け間違えちゃった。。。」といっても、やり直しは(基本的に)有り得ません。一度各行政庁の審査窓口に受理されて、経営事項審査の審査が始まってしまい、仮に後から「間違えた!」と気づいた申請(例えば技術者の数を少なく申請した。あるはずの退職金規定をないものとして申請したなど)をしても、後の祭りです。そのまま申請は進み、本来得られるべき点数より低い点数で結果が出てしまい、1年間はその点数のままです」それゆえにキチンと流れを踏まえて、できれば「出来上がりから逆算して準備(決算含めて)が出来る」ようになれればベストかと思います。

経営事項審査から公共工事を受けるための入札参加資格申請への大まかな流れ

税理士先生などがなさる会社の決算を終えてから、自治体の公共工事に入札が出来るようになるまでの大まかな流れは以下の様になります。

  1. (会社の税務上の)決算→決算後2か月となっております。例えば3月決算なら5月末までには申告・納付完了となります)
  2. (建設業許可を受けている行政庁への)決算報告(決算変更届・事業年度終了報告)→決算後4か月以内(上記例でいえば7月末までに決算報告提出となります)
  3. (外部の分析機関での)経営状況分析
  4. 経営事項審査の受審
  5. 結果通知の受け取り(東京都で受審後3週間、国土交通大臣許可で5週間かかります)
  6. (各自治体への)入札参加資格申請(定期申請と随時の申請があります。初めて入札参加資格申請をする場合は「随時の申請」をします)

となります。

ただ、私は”2”の決算変更届(事業年度終了報告)と”3”の経営状況分岐の順番に関しては、大体経営状況分析を先に受けてから、その決算書の内容を確認してから、決算報告をする方法をとる場合が多いです。

多くの先生は「決算報告⇒経営状況分析」の順番でなさっているのか?とも思いますが、僕はあえて逆の方がよいと思ってます。

そして、東京都知事許可の会社様の経営事項審査は「決算変更届(決算報告書)が終了後に経営事項審査の順番(受審の日時)の予約受付」なので、事前に日程調整・日程管理をしないと後で「経審の期限切りになりそう」等の痛い目を見ることがあります。

例えばですが、日本では十二か月の中で一番決算月の多いと思われる、三月決算の会社さんの場合、その経審を受けるであろう七月や八月は東京都の経審の審査予約も込み合うので、十分に注意をする必要があります。

 

仕組み≒審査項目

それでは経営事項審査の点数とはどうやって出すのでしょうか?何を審査すのでしょうか?

経営事項審査(経審)の点数は下図の紫色の項目4つX1、X2、Y、Z、Wの5つの項目から導き出されます。

(経審の結果通知。クリックすると別ウインドで開きます)

経審の点数計算の中身はかなり複雑です

経営事項審査の仕組み≒各審査項目から求められる総得点(=総合評点=P点)は

総合評点(P点)=0.25X1+0.15X2+0.2Y+0.25Z+0.15Wという計算式で求められます。

では、X1、X2、Y、Z、Wとは何でしょうか?

経審の審査項目について

X1、X2、Y、Z、Wとはそれぞれ

X1=工事種別年間平均完成工事高の評点

X2=自己資本額の評点

Y=経営状況分析の評点

Z  =技術力の評点(技術職員数の数など)

W  =その他の審査項目(社会性等)の評点(健康保険、雇用保険、労災(法定外労災含む)等への加入状況など)

となっております。

※「X1=工事種別年間平均完成工事高の評点」など個別の点数の算出方法は、完成工事高を細かく等級別(風)にして、更にその中で複雑な計算式を設けて算出しておりますので、ここまでは理解する必要はないと思います。

となっております。こうやって分解をしてみると当たり前ですが「0.25(1/4!)がかかっている完成工事高と技術力(技術職員数)が多い方が点数が上がるのか!」ということが一目瞭然でわかり「それでは、元請け工事を増やそう!」とか「一級建築施工管理技士をたくさん雇おう!」というように短絡的には勿論行きません。元請け工事を思い通りに取っていけるなら、どの会社さんも苦労はしないし、一級建築施工管理技士の方を一人雇うと一体年間でいくらかかるのか?ということです。。。

今回は流れと仕組み(審査項目等)までにさせて頂き、具体的な点数アップの仕方などはまた別に書かせていただきます。

経営事項審査は専門家でもかなり神経をつかう作業になります

今まで書いてきたように経営事項審査は、その審査項目が多岐にわたり、そしてその内容もかなり複雑ですし、そろえる資料も複雑で多岐にわたります。専門的な知識もかなり必要になります。東京都などは経営事項審査は対面で行っていることもあり、私が審査を受けている横で、会社様が自社で作ってそろえた経営事項申請書と確認資料で受けた審査をものの見事に審査官に跳ね返されている姿をよくお見掛けします。

先ず工事経歴書の記載からして難しいです

経審で一番最初に作業に取り掛からないといけないのは「決算変更届(事業年度終了報告書)の工事経歴書」の記載です。そして、これが中々大変です。

審査官に跳ね返される前の段階で、まず「経営事項審査の基準に合致している(決算変更届(事業年度終了報告)の)工事経歴書」の記載からして、かなり複雑なので、「初めてやる方」や「年に一度だけ自社の経審だけやる方」にはかなり難しいので、この点をクリアして、作成した「経審の申請書」を経審の審査の基準に乗せることも困難です。

※複雑さの内容についてはここでは割愛させて頂きます。

工事の契約書や社会保管加入などの裏付け資料の収集も難しいです

経営事項審査は審査項目各々にその事実を証明する「裏付け資料(工事関係の契約書や社会保険厚生年金保険の領収書など)」の提示が必須になりますが、その「裏付け資料」も複雑で多岐にわたるので、こちらもやはり「慣れた人」でないと一発で審査の基準にあわせるのは難しいと思います。

そして、経審を無事に受けることに加えて更に時間(期限)の管理も重要になってくるので、延べ100件~200件の経営事項審査をしてきた私でも、「慣れる」という事はなく、毎年毎年、一社一社真剣勝負で臨ませて頂いております。何回もやっている私でもその位なので、「年に一回しかうやらない」会社の総務の方などがやるのは大変な作業になってきます。

戦略的に経営事項審査を二人三脚で受けてみませんか?

公共工事を安定的に受注をしていくと、会社としては代金のとりっぱぐれは勿論ないし、支払いサイトも短いので会社経営には物凄くプラスになります。しかし、「ただ漫然と毎年経営事項審査を受けている」という状態ですと中々、仕事を取ることが出来ないようです。

その上で、経審の申請は今まで書いてきたように、かなり難しい作業になるので、会社としては「経営事項審査」は目的をはっきりさせて(例えば「○○市の××千万円くらいの塗装工事を落札したい」等の具体的な目標です)、戦略的に腰をすえて取り組む必要があります。そこで、経審を専門に取り扱っている行政書士と二人三脚で取り組んでいきましょう。

当事務所では、「会社様の目標に近づく最善のお手伝い」はさせて頂きますが、経営事項審査を受けるためにはかなりの量の(めんどくさい(笑))資料の収集も必要なので、会社様の協力なくしては良い結果は望めないのです。

一緒に相談をしながら会社の限りある資源(ここでいう資源とは「技術者の数」「完成工事の売上高」等です)を有効活用するような提案を受けながら、ご希望の工事を受注するように「戦略的に経営事項審査を受ける」という事をしていきませんか?

たんげそう行政書士事務所では、貴社の決算内容と工事経歴の内容を精査し、会社様のご希望を伺ったうえで最適と思われるご提案をして、経営事項審査のお手続きをさせて頂いております。

よくあるご質問

ここでは経営事項申等に関してよくいただく質問を簡単にご紹介させて頂きます。

大体予算はどのくらいでしょうか?

詳しい金額は会社様の売り上げ規模、技術者・重機の数によって変わりますので、会社様のご状況を確認した後にお見積りをださせていただきますが大体、実費(審査手数料など)含めて250,000円(税込み)~となっております。(経審のお手続きに関しては決算届含めてすべてのお手続きを含んでおります。ただし入札参加資格申請は別途お見積りです。また、当事務所では決算変更届は経審と一体のものなので、「決算変更届だけ別(自社で行う)」というご依頼はお受けしておりません。

事前のご相談は無料でしょうか?

経審のご依頼前提の電話・ZOOMでのご相談は無料で承ります。(都内出張相談含む。都外は別途ご相談)

経営事項審査はお願いしてからどの位で申請できますでしょうか?

東京都などは審査が予約制になっているので、その空き具合に因りますが、大体1か月位で申請までは可能です。但し、上述させていただように経審の受審には資料の収集など含めて、会社様のご協力が不可欠なので、お客様の資料の保存状況等にも申請までの期間はかなり左右されます。

経営事項審査ご依頼の流れ

簡単なご依頼の流れのご説明をさせて頂きますが、経営事項審査はお客様のご状況が本当に多種多様なので(既に経審を受けている?これから初めて経審を受けるなど)状況やご希望に応じて、臨機応変に対応させて頂きます。

1.先ずはお電話若しくは当HPの問い合わせフォームからご連絡下さい

お電話(丹下携帯070-6467-1285が繋がりやすいです)若しくは当ホームページの問い合わせフォームからご連絡を頂ければとおもいます。メール、電話に出れない場合、どちらも24時間以内の返信をさせて頂きます。

2.電話若しくはZOOM等で軽くヒアリングをさせて頂きます

電話かZOOM等で直接ご状況を確認させて頂ければと思います。

3.ご希望に応じて面談

ご希望に応じて国分寺駅周辺のカフェ、若しくは会社様にてご面談(都内のお客様でご依頼前提のご相談は初回相談無料で行わせて頂きます)

4.お見積りのご提示

2.と3.のヒアリングに基づいて、お見積りの作成・ご提示をさせて頂きます。

5.必要書類のご案内

お客様のご状況に合わせた必要書類のご案内を作成させて頂きます。

経営事項審査でご準備頂く書類はかなり面倒なので、当事務所では極力「見本」もお付けして解りやすいご案内を作成させて頂いております。

※ 経審は必要書類の準備→私の精査の時間が必要なので、「必要書類のご案内」は極力早い段階でお出しさせて頂いております。

6.着手金のご請求

事務所報酬の半金と申請手数料(経営状況分析と経営事項審査、両申請分)を着手金としてご請求させて頂きます。

7.東京都知事許可のお客様はこの段階で経営事項審査申請日の予約をします

東京都知事許可の経営事項審査は予約制となっており、かつ時期によっては予約が非常に取りづらくなっているので、申請日の予約も可能な限り早めに取らせて頂いております。

(ただし、予約を取れるのは審査基準日に係る決算変更届の提出が完了していることが必須です。)

8.申請書類の作成開始

先ずは、決算届の作成から開始します。

9.各自治体へ申請完了

2020年の新型コロナウィルス蔓延以降は、各自治ともに「対面での申請」と「郵送での申請」を使い分けている状態なので、各申請自治体にあわせて申請をします。

※ 各自治体で経営事項審査も電子申請が可能になっております。申請会社様がGbiz IDをお持ちのようでしたら、電子申請も可能です。

10.結果通知の受領

東京都では3週間強くらい、その他の自治体ですと1か月から2か月で経審の結果通知がお手元に来ます。

11.残金のご精算と副本類のご返却

以上でお手続きが完了なので(入札参加申請を含む場合を除く)、残金の清算と副本類及びお借りしている資料のご返却をさせて頂きます。

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