建設工事における安全衛生経費の実態に関する調査

一歩上の法令遵守を目指す

会社を大きくすればするほど、社内環境の整備の向上、法令遵守を目指していかなければなりません。

その中でも重要になる「現場安全衛生管理」についてのお話をすこし。

安全衛生管理を怠ると建設業許可でも罰せられます

例えば東京の建設業者さんで行政庁から「(建設業法上の)処分」をされている会社様はここ数年は年間10件~20件くらいとなっております。これは、「許可を受けた業者数」に比すると相当少ないとも思われます。

そして、その少ない処分例の中でも、意外に処分されているのが「建設業法第28条第1項(第3号該当)」違反です。

【建設業法第28条第1項(第3号該当)】

(次の各号のいずれかに該当する場合)又は~(中略)

に違反した場合においては、当該建設業者に対して必要な指示をすることが出来る。

一 (略)

二 (略)

三 建設業者(建設業者が法人であるときは、当該法人又はその役員)又は政令で定める使用人がその業務に関し他の法令(入札契約適正化法及び履行確保法並びにこれらに基づく命令を除く。)に違反し、建設業者として不適当であると認められるとき。

ここでいう「業務に関し他の法令・・」とは、処分内容を読むと、「作業場の安全衛生に関する法令違反」がほぼ全てなっております。

つまり、労災事故が発端となって、処分に至るケースだと思われます。

建設業における労災の死者数は全産業の1/3を超えています

少し古い数字になりますが、平成28年度の厚生労働省の発表によると、建設業内で起こった労災の死傷者数は15,058人(全産業の12.8%)、死亡者数は294人で実に全産業の31.7%になります。

この状況はとりもなおさず、現場の「元請け業者・下請け業者」共に責任を負っている、「安全衛生費の確保」が不十分であることに起因しております。

国交省においても、昨年より、「建設工事における安全衛生経費の確保に関する実務者検討会」を言うワーキンググループを作り、検討を重ねております。

建設工事における安全衛生経費の実態に関する調査

上記のワーキンググループの第3回が平成31年1月31日に開催されたことを受けまして、

「建設工事における安全衛生経費の実態に関する調査」が行われます。

そもそも安全衛生経費は上述した通り、元請・下請が義務的に負担しなければならない費用であり、建設業法第19条の3(不当に低い請負代金の禁止)に規定する「通常必要と認められる原価」に含まれるものとされています。一方、安全衛生経費の定義付けについては労働安全衛生法令に定められた項目だけでは、安全対策の実施が確保されない場合があります。また、安全衛生経費の定義に少しでも合わない項目は対象外とされてしまうため、安全衛生経費の項目は細かすぎない方が良いという意見も提言されています。

その他、やはり建設業界の「重層下請け構造」においては、費用の負担問題が起こります。

そこで、

・安全衛生費がどのくらい知られているか(あるいは知られていないか)

・安全衛生経費の金額の算定と支払いはどのように行われているか

・ 安全衛生経費が建設工事の発注・契約の際、どのように取り扱われているか

等の実態を把握するために、ランダムに抽出した2万者を対象として、「建設工事における安全衛生経費の実態に関する調査」がおこなれます。

この調査に回答によって、監督処分や行政指導、立入検査等の対象になることは有りません。

又、民間業者様の中にはまだまだ、安全衛生に関する法的知識などが不足している業者が多いことも鑑み、「調査の内容が難しい」と感じた場合は、「設問の意味が分からない」という選択肢も設け、そのありのままの実態も調査したい模様です。

本業が忙しい中、中々面倒な調査ではありますが、将来の建設業のために、また、自社の法令遵守の一助のための「安全衛生費」について、今一度考える機会として、ご記入してみてはいかがでしょうか?

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