建設業許可の新規申請をする際に、申請会社様の社員さん(メンバーさん)が全員「親会社からの出向者である」という場合が、極々まれにですがあります。その場合、許可申請の窓口で「申請の内容には問題はないので、許可は下りますが、許可取得後は会社さんで工事は出来ません。申請会社さんにその旨キチンとお伝えください」となぞなぞのようなことを言われます。
これはなぜでしょうか?なぜ折角許可が取れたのに建設工事が出来ないという事態になるのでしょうか?
経営の責任者と専任技術者は出向でもOKですが現場の責任者は出向者NG
結論から言ってしまうと、経営の責任者((旧)経営業務の管理責任者。以後便宜的にケイカンとします)と専任技術者(以後センギとします)は実務的な過去の経験・資格などの要件さえ具備をなさっている方でしたら「出向者」でも「常勤性」が認められるのでケイカン・センギになれるの対して、現場の責任者である「配置技術者」に関しては「直接的かつ恒常的な雇用関係」が求められており、「出向社員にかんしては”直接的”も”恒常的”も当てはまらないため、配置技術者にはなれません」という事になっているのです。
建設業許可取得におけるケイカン・センギの常勤性について
建設業許可においてはケイカンとセンギの方々の「常勤性」というものが大変重要になっております。
この点において最近「経営の責任者、若しくは技術の責任者が(親会社などからの)出向社員なのですが、それでも許可は取れますでしょうか?」というご質問をよくいただくようになっております。
具体的なことはこちらのページに書かせて頂いているので、お時間がありましたらご一読ください。
※前述もしておりますが「経営業務の管理責任者」という役職は条文上は現在廃止されておりますが、実質的には制度は存続しておりますので、このページでは昔からのいい名である「経営業務の管理責任者(ケイカン)」とさせて頂きます。
ケイカン・センギが出向社員でも常勤性はみとめられます
前述したようにケイカン・センギに関しては「出向者でもOKです」としております(ただし、許可行政庁によって取り扱いが異なる場合があるので、事前の確認は必要です)。ただし、「常勤性の証明」は多少複雑になって、出向元の保険証(これは多分ですがどこの申請先自治体でも添付必須となっているはずです)+出向の契約書(覚書)や出向している方々の給与のお金のやり取りが解る出向先⇔出向元との請求書+入金が確認できる通帳の証書などが必要となります。(各自治体によって異なります)
出向者は現場の責任者(配置技術者)になれません
建設業許可を取得すると、軽微は工事(500万円未満の工事)の施工にあたっても「配置技術者(管理技術者若しくは主任技術者)の設置義務」が課せられます。そして、この配置技術者国交省から出ている「監理技術者制度運用マニュアル」というもので「直接的かつ恒常的な雇用関係」が求められているため、出向者の配置技術者は認められておりません。