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もう2年前になりますが、平成29年6月30日施行で経営業務の管理責任者になるための要件が緩和されたのは、業界内では有名な改訂であり、且つ、特に”他業種経験等の「7年」を「6年」に短縮した改訂はインパクトもそれなりに大きかったと思います。(この改定で許可取得ができた、または、1年早く許可が取れた会社さんは多かったのではないでしょうか?)
それ以外にもインパクトもあり且つ、混同しやすい改訂もありました。
いわゆる「準ずる地位」の拡大
これは、「経営業務の管理責任者になるための経験」の範囲を拡大したものであり、「登記簿上の役員・令第3条の支配人に名を連ねていなくても、「それらに次ぐ職制上の地位にあれば”補佐経験”として認めましょう」というものです。これが、平成28年6月1日より認められていた「経営業務の管理責任者としての経験等を有する者の配置が求められる「役員」の範囲について(の拡大)」により「登記簿上の役員にならなくても執行役員の地位で経営業務の管理責任者になれる」と相まってというかごっちゃになって、話をややこしくしている方が多いと思います。
「役員じゃなくてもケイカン(経営業務の管理責任者)になれるって聞いた!」とか
「6年陣頭しきとってるからケイカン(経営業務の管理責任者)になれるんだよね?」と比較的簡単にお考えになる業者の方が多いような気がします。
経営業務の管理責任者就任要件は緩和の方向だと思いますが・・
確かに2年連続で、経営業務の管理責任者就任要件の比較的大きな緩和改訂があり、経営業務の管理責任者就任要件は時代の要請もあり(廃止されるという動きもあります)緩和の方向にはあると思いますが、安易に考えるのは早計です。
執行役員での(過去の)経営経験を証明するのは、東京都知事建設業許可においても、国土交通大臣建設業許可においても、「事前審査事項」となっておりますし、中々の狭き門です。
更に、(登記簿上の役員にならずに)執行役員の地位のまま、経営業務の管理責任者就任は、東京都知事許可ではまだ前例がありません。神奈川県知事許可では「認めるつもりがない」とさえ言っている審査官もいるとかいないとか。
かろうじて、国土交通大臣許可では認めておりますし(私も取り扱った経験はあり、執行役員のまま経営業務の管理責任者になって頂いた会社様は2社ほどございます)、新潟県知事許可でも前例があるようです。
しかし、これは「執行役員を置くに足る規模の会社である」という大前提があるので、それなりに大きな会社様が、ある程度本気で制度設計に臨んで頂かないと、認められない、これまた狭き門です。
5年か6年か?どんな経験が必要?
まずこれを理解する必要があります。以下の表を参考にして頂ければと思います。
経営業務の管理責任者は必置です
因みにですが、上記の表で重要なのは、罫線内の5年・6年の別以上に、下の赤枠の1段目です。
経営業務の管理責任者は必置なので、後任がいない場合は許可は取り消しになります。これは「たった1日でも」です。
「前任者が急死したから」などの、ある程度やむを得ない事情でも斟酌されません。
皆様、お気を付けください。